【猛暑に打ち勝て】夏のロードバイクトレーニングのコツ5選

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著者紹介

自転車に乗る医学生。元プロロードレーサーの経験を活かし、パワートレーニングコーチをしている。

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梅雨が長く続き、室内トレーニングが中心になっていた方も多いのではないでしょうか?

エアコンのきいた室内でのトレーニングから、いきなり30度を超える外でのトレーニングに復帰すると、当然熱中症のリスクが高まります

この記事を書いている今日、筆者が住む岐阜県の最高気温は36度をマークしています。

暑いにもほどがある…!

いよいよ梅雨が明けるということで、今回は夏の暑さに負けず、ロードバイクでトレーニングするときのコツを紹介します。

夏のロードバイクトレーニング①: 水分補給の戦略

水分補給に関しては前にこんな記事を書きました。

夏の水分補給は、スポーツドリンクを1時間に1L、そして、エネルギー補給の観点では、プラスでエナジージェルを1時間に1,2本とるのが良いです。

水ではなく、スポーツドリンクでないとダメです。

夏のロードバイクトレーニング②: 夏こそお風呂に入ろう。暑熱順化のすすめ

暑熱順化とは、

暑い環境に自ら身を投じることで、汗腺の働きを活発にし、体温調節能力を引き上げて熱中症を防止する

方法です。

一般的には、サウナ、温泉、やや暑い環境での軽い運動などによって効果が出ると言われています。

人間の身体は「ストレスに順化する」という素晴らしい性質を持っています。

暑さは「暑熱ストレス」といい、最初は汗をかけず、体温調節がうまくいかなくても、継続的に暑熱ストレスにさらすことで、高温環境下でも

  • 発汗率の増加
  • 心拍数の抑制
  • 体温上昇の軽減
  • 循環血液量の増加

などが見込めます。その結果、レースやイベントなどの本番で暑さでパフォーマンスが低下したり、熱中症になったりするのを防げます。

どんな手段をとるにしても、2週間ほどで効果が出ると言われています。

適宜スポーツドリンクで水分補給をしながら、無理のないように行いましょう。

夏のロードバイクトレーニング③: コースと時間帯の選び方

周りに太陽光を遮るものがない大きな道路を走ると、道路の輻射熱なども相まって、実際の気温よりもかなり暑くなります。

練習のコースを選ぶ際は、なるべく両脇を木々などに囲まれた、山道を選ぶようにすると、直射日光も避けることができ、快適に練習することができます。

また、直射日光は12時、地表温度は13時、気温は14時にピークに達します。そのため12-14時は体感的にも気温的にも、かなり暑く感じられるはずです。

この時間帯を避けた早朝、および夕方にトレーニングを行うことで、多少は快適に走ることができるはずです。

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暑熱順化と、暑さを避けることのバランス

先ほどは、「暑い環境に身を置け」と言い、今は「暑さを避けるコース、時間を選べ」と言い、矛盾していますね。

どちらも熱中症を予防する意味においては重要なことで、

「目的に応じて、暑さをとるか避けるかは異なる」

という点を強調しておきます。

暑熱環境に身を置けば、暑さへの適応は期待できますが、そこでの運動強度は落ちます。

そのため、高強度のインターバルをやる予定の日に、わざわざ暑い時間帯を選んで練習に出かけるのはナンセンスです。
暑熱順化を期待して暑い時間帯に練習に出るのであれば、せめてZ2以下の強度がメインの日に行うべきでしょう。

筆者が以上を踏まえてベストだと思うのは、

練習以外の時間でお風呂やサウナを利用し暑熱順化を行い、練習は早朝や夕方に暑さを避けて行う

という方法です。

夏の暑い中でも、練習の強度はなるべく落としたくないですからね。

夏のロードバイクトレーニング④: インナーを着よう

「夏は暑いから」

と、半袖ジャージ1枚で外に乗りに行かれている方、もっと良い方法があります

無効発汗とは、人間がかいた汗のうち、蒸発しないで体にたまったり、流れ落ちてしまう汗のことを言います。

せっかく沢山汗をかけても、無効発汗してしまっては、体温は一向に下がらないまま。

インナーがあると、繊維の「毛細管現象」によってかいた汗を吸い取ってくれ、さらに繊維の表面の凹凸が表面積の拡大に寄与して、汗の蒸発を効果的に促してくれます。

そのため、「インナーを着た方が涼しい」のです。

インナーありとインナーなしで、高温環境下に被験者を暴露して、一定時間経過後の皮膚表面温度をみる実験では、インナーありの方が、温度が低くなったというデータがあります。

夏のロードバイクトレーニング⑤: 日焼け止めを塗ろう

夏は露出が増えるため、気を付けなければいけないのは「日焼け」。

中には、

こんがり日に焼けていた方が練習してる感があってかっこいいから、いつも日焼け止めは塗ってないよ。

なんて人もいますが、良くありません。

プロ選手がこんがり焼けているのは、

日焼け止めを塗ってはいるものの、汗などで流れてしまったりして防ぎきれない分が日焼けになってしまっている

という結果であり、誰も焼きたくて焼いているわけではありません

日焼けは、紫外線による皮膚へのダメージのほか、運動後に熱を持ってしまって回復が遅れたり、熱中症を長引かせたりするため、本当によくありません。

運動中はこまめに日焼け止めを塗って、できるだけ日焼けを防ぎましょう。

筆者が所属する愛三工業レーシングチームは、Aggressive DesignのFighterという日焼け止めを使用しています。

値段は張りますが、筆者は今までたくさんの日焼け止めを使ってきて、これほどまでに落ちない日焼け止めを見たことがありません

練習後にシャワーを浴びてボディソープなどで洗っても全く落ちず、困るくらいです。

日焼け止めの効果も折り紙付きのSPF50̟+、PA++++。

専用のクレンジングがあるので、これを使えばきれいに落ちてくれます。

ただ、日焼け止めは肌が弱い人にとっては、合わないものも存在するので、一度試してみて、合わない場合は使用を中止して他の物を試すのが良いです。

日焼け止めを塗りたくるのがあまり好きではない方は、腕などに紫外線を防ぐアームカバーをすると良いかもしれません。

参考にしてみてください。

まとめ: 万全対策で夏のロードバイクトレーニングも楽しもう。

水分補給、コースや時間帯の選び方、暑熱順化のトレーニング、暑さを防ぐ服装や日焼け止めの工夫などを紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

夏は熱中症で病院に搬送される方が本当に増えます。

今年はコロナウイルスの流行もありますので、暑さに強い身体を作り、病院に負担をかけることがないように、元気にトレーニングしていきましょう!

それではまた。

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