雨の日のロードバイクトレーニングは外に行くべきか?

トレーニング
この記事は約7分で読めます。
スポンサーリンク
著者紹介

自転車に乗る医学生。元プロロードレーサーの経験を活かし、パワートレーニングコーチをしている。

筆者の最新情報をチェックする

この記事はこんな人におすすめです。

  • 目標レースのために日々トレーニングする社会人レーサー
  • 高校、大学の自転車競技部員
  • 梅雨時のトレーニングで外に行くべきか悩んでいる人

梅雨真っただ中のこの時期、なかなか思うように練習できなくて困っている人も多いのではないでしょうか?

雨の日は外に行きたくないけど、レースもあるし、弱くなりそうで、トレーニングができないのは嫌だなあ…プロ選手はどうしてるんだろ。

今日はそんな疑問に答えます。

結論から言うと、筆者の考えは、

1週間連続で雨が続くときは、気温が20度を超える日を狙って外で練習しよう。それ以外はローラーで十分

です。

ローラーでの練習で何をしたら良いのかという点については別記事にまとめてありますので、興味のある方はご参照ください。

これは、筆者なりに、雨の中外に練習に行くことのメリットデメリットを天秤にかけた結果です。

以下で詳しく解説していきます。

雨の日のロードバイクトレーニングで外に行くデメリット

傘をさして濡れないようにトレーニングできるならまだしも、雨の日に外でロードバイクに乗って、濡れずに帰ってくることはまず不可能です。

経験がある人にはわかると思いますが、控えめにいってどろっどろギトギト、不愉快極まりないです。

今すぐウエアを全部脱ぎ去って温かいシャワーを浴びたいのに、自転車も汚いし、そのまま家の中に入ったらお風呂までの床が汚れるし…

最悪ですよね。

筆者の思う雨の日の外練習のデメリットは以下です。

スポンサーリンク

風邪をひくリスクが伴う

全身が雨に濡れるわけですから、夏であっても当然冷えます。

また、何人かで走行する際は前を走る人が巻き上げる路面の雨水を少なからず口に含みます

これは衛生的ではありません。

日本ならまだ平気かもしれませんが、筆者は海外の雨のレースの後、感染症と思われる症状でおなかを壊したことがあります。

雨の日のロードバイクトレーニングで外に行くなら、少なくとも風邪をひかないように、トレーニング中とトレーニング後に適切な対策をとる必要があります。

雨の日に風邪をひかずに練習するための効果的な対策については、チームメイトで大先輩の伊藤雅和選手がブログに記事を書いてくれていますので参考にしてください。

落車しやすくなる

これも当然です。

雨の日の路面は多くの人が思うより全然滑ります。

特に、いつもと同じように峠道に行って登りの反復練習を行う場合、登りの数だけ下りがあるわけです。

梅雨時は特にが生えていることがあり、ドライの路面でもよく滑ります。

雨の日に外に行くなら、心に余裕をもって、メニュー以外はゆっくり走行しましょう。

スポンサーリンク

視界不良で事故をしやすい

雨の日はクリアレンズを使っていても、信号で止まると曇りやすいし、走行していたら雨水がついて視界が悪くなりますよね。

何人かで走行していたら、前の人の巻き上げる雨水が路面のオイルなどを含んでいて、サングラスが全く見えなくなることもしばしばです。

かといってサングラスを外すと、目に入る雨水が痛くて目を細めざるを得ない。

雨の日に事故をしてしまうリスクは、晴れの日より断然高いです。

後始末が本当に面倒

先ほども少し言いましたが筆者としてはこれが一番面倒くさいです。

身体は気持ち悪いので早くお風呂に入りたいけど、ウエアが汚いのですぐには入れません。

泥だらけのウエアもまずは手洗濯した方が良いでしょう。

自転車も泥だらけなので、少なくともチェーンだけは、水分をウエスでふき取ってオイルを差した方が良いです。

お風呂に入った後は洗車です。

雨の日の練習後にやるべきことは、晴れの日の10倍にはなると考えた方が良いです。

スポンサーリンク

雨の日のロードバイクトレーニングで外に行くメリット

特にありませんと言いたいところですが、特にないといえるのはレースに出場しない人向けです。

レースの出場することを少しでも考えている人には、一応メリットといえるものは存在します。

雨のレースの対策になる

レースは雨でも行われます

一度も雨の中を走ったことがない状態でレースを迎えて、初めてのレースが雨だったらどんなことが起こるでしょう?

おそらく制動距離を見誤って落車するか、コーナーでバイクを倒しすぎて落車するか、視界不良の中他の選手と接触して落車します

端的に言うと、落車します

雨の日特有のブレーキの効かなさ、タイヤのグリップの感触を身体で覚えるためには、やはり雨の中を走るのが最善策です。

スポンサーリンク

雨のレース後のリスクマネージメントの予行演習

デメリットで、「風邪をひきやすくなる」と言いました。

おそらくこの記事を読んでくれている方の多くはアマチュアですから、日曜日にレースがあって翌日は会社や学校があるでしょう。

雨のレースを走った後に風邪をひいてしまったら、翌日の会社や学校がつらくなるか、休まざるを得なくなるかもしれません。

そういう意味では、練習の段階で、雨の中外を走るときと、帰ってきてからの行動パターンについて自分なりの対策を練っておくことで、レース後に風邪をひかなくて済むかもしれません。

プロ選手の場合には、ステージレースを走ることがあるので、ステージのなかばで雨に降られて風邪をひいて、翌日DNS、というのでは話になりません。

そういうときのリスクマネージメントの目的で、筆者も雨の中あえて外に練習にでることがあります

スポンサーリンク

ペダルにきれいにトルクをかける練習になる

雨の日はタイヤが滑りやすくなるので、コーナーのみならず、登りマンホール路上の排水桝などでもスリップすることがあります。

ベルギーの雨のレースで、コーナーの立ち上がりでダンシングしただけで後輪が思いっきり空転したことがあり、その時は焦りましたね。

雨の日は、360度きれいにペダルに力を加えてあげないとタイヤが滑りやすいので、ペダリングテクニックという意味では練習になります。

雨の日のロードバイクトレーニングで外に行かざるを得ない理由

プロ選手をしている筆者にとっては、メリットというよりは「行かざるを得ない」という理由の方が大きい気がします。

以下はプロ選手ならではだと思うので、読み飛ばしてもらっても構いません。

スポンサーリンク

雨のなかだろうが安全に走るのはプロとして当然。問題になるのは気温

いままで雨の日に外を走る危険性を伝えてきましたが、それはあくまでサイクリスト一般に向けての内容です。

プロ選手の場合、雨の中での走行テクニックや風邪をひかないためのリスクマネジメントなどは経験が裏打ちしているので、晴れの日と同じように安全にトレーニングすることはむしろプロとして備えておくべき条件といえます。

問題になるのは気温で、筆者の場合、練習では、気温が20度を下回る場合には外に行かないようにしています。

雨の気温が低い日に無理して外に行って風邪を引いたら、それまでに積み上げてきたもっと多くのものを失うからです。

雨続きの中、測定や高強度インターバルをしなきゃいけない。

とはいっても、一週間連続で雨、なんてこともあるでしょう。

プロの中には筆者のように、パーソナルコーチをつけてパワートレーニングをしている選手もそれなりにいます。

「トレーニングはテストであり、テストはトレーニングである」

とはパワートレーニングの格言です。つまり選手は日々のトレーニングのなかで、常にベストパフォーマンスを更新するように努力しなければならないのです。

雨予報の週のトレーニング予定の中に、全力で行う測定系のメニューが含まれていた場合、基本的に測定をローラーで行うことはないので、天候にかかわらず外で測定を行います。

スポンサーリンク

メリットvsデメリット/どんな日は外でロードバイクトレーニングをすべきか?

ここまでの話を総合すると、

雨の日に外で練習することは、落車したり風邪を引いたり、相応のリスクがあるけど、レースに出場することを少しでも考えているなら、何回かは外で練習しておいて、雨レースの予行練習をしておいた方が良い。

ということになります。

まとめ: 1週間連続で雨が続くときは、気温が20度を超える日を狙って外で練習しよう

スポンサーリンク

アマチュアでレースに参戦する人をターゲットに、筆者なりの答えを返すなら、こう答えます。

逆に1週間の中で数日でも晴れるのであれば、気温にかかわらず雨の日はローラーでも構わないと思います。

筆者の友人にも数人いますが、

「雨の中走るのが大好き!」

という少し変わった人は、安全に気をつけて、ご自由にどうぞ。

梅雨の練習しづらい時期、ローラーでの練習を効果的に使って、フィットネスレベルを下げないように乗り切っていきましょう。

冒頭にも貼りましたが、じゃあローラーでの練習では何をしたら良いの?という点に関しては別記事にまとめてありますので、こちらも併せてご参照ください。

それではまた。

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました