【室内のロードバイクトレーニング】注意点4つとメニュー例4つを大公開

トレーニング
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著者紹介
大前 翔

コーヒー好きな医学生兼プロロードレーサー。愛三工業レーシングチーム、慶應義塾大学医学部所属。スポーツドクターになるために医学部に進学したが、国内プロになる機会をいただき、休学してプロ修行中。「目標」に向かってペダルを回す人を応援するべく、このサイトを作りました。趣味ブログやレース情報はホームページの方で書いています。

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※アイキャッチ画像は著者の所属チームのサプライヤーであるミノウラさんのHPより引用させていただきました。

雨の日はローラーで練習しているけど、ただローラーを回しているだけでどんな練習をしたら良いかわからない

最近ローラー台を買ったので有効に活用したい。

こんな人は多いのではないでしょうか?

前回、雨が降っているときに外にトレーニングに行くか、室内でトレーニングするべきか、という記事を書きました。

今回はその関連で、

室内で練習するときはどんな練習をしたら良い?

という点について書いていきたいと思います。

室内でロードバイクトレーニングをするときの注意点

全体の時間が2時間を超えないようにする

ほとんどのサイクリストは、室内でのトレーニングはつまらないので、長くても1時間半くらいで切り上げることでしょう。

しかし、筆者や一部少数のサイクリストは、ローラー台の上の

精神と時の部屋

を純粋に楽しむことができます。

  • 余計なことを考えずに、ただペダリングに集中する時間。
  • youtubeなどで見たい動画を見ながらペダルを回し続ける。

筆者の場合、そんなことを楽しんでいると、ローラー台で5時間の練習をこなすことも苦ではありません。

しかし、筆者がパーソナルコーチをつけて間もないころ、雨の日に、今日の天気が雨であることをコーチに伝えずに(筆者のコーチはオーストラリア在住のイギリス人でフルリモートで指導を受けています)、ローラー台で指定された5時間の練習をこなしていたのですが、そのログを見て、こんなことを言われました。

コーチ
コーチ

ローラー台での練習は長くても2時間以内にしろ。雨降ってるなら言ってくれればメニュー変えるから前日までに天気予報教えろ。

(意訳ですが結構ぶっきらぼうな感じの人です)

その理由は、

ローラー台での練習は、無意識に脚の筋肉のみを使ったペダリングに偏ってしまうから、同じ時間であっても外での練習より筋肉に疲労が残りやすい

からだそうです。

多くの人は5時間もローラー台で練習したらモチベーションが続かないと思いますし、それなら雨の日の室内練習は2時間以内に留めて効率的なメニューをこなし、翌日以降の晴れた日に外で長い時間を乗り込むのが良いです。

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実走と同じペダリングを意識する

最近zwiftの流行とともに人気の「ダイレクトドライブ式」トレーナーや、

伝統的な固定ローラー

このようなローラー台を使う場合、ロードバイクを完全にローラーに固定するので、バイクの動きが制限されます

それに伴って、どれだけ頑張って実走と同じ体の使い方を意識しても、厳密に同じにはなりません

また、ローラー台の上でパワーを出そうと頑張ってみるとわかりますが、

体重移動を利用して効率的にペダルを回そうとするより、脚の力を使ってペダルを踏みしめた方がパワーが出やすいことがあります。

しかし実際、このようなペダリングは負荷が高く、レースで使えるペダリングには向いていません。

なので、筆者がローラー台の上でパワートレーニングをする際は、主観的強度を基準に、パワーの数字をなるべく見ないようにして、外でのペダリングと同じペダリングをするようになるべく意識して練習します。

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水分補給を入念にする

ローラー台で真剣に練習したことがある方ならわかると思いますが、

ローラー台の下に汗の海ができます。

その汗の分の水分を摂取できてますか?

簡単な指標として、トレーニング前後に体重をはかる、というやり方があります。

これは、ローラー台だけでなく、これからの真夏の外での練習の前後にもやってほしいのですが、練習前後で体重計に乗って、その差分が、流した汗に対して摂取しきれていない水分量に相当します。

厳密にいえば、トレーニングで消費する糖質や、グリコーゲンを貯蔵するために一緒に吸収されていた水分、脂質などの質量も一緒に減っているのですが、これらを考慮しても、トレーニング前後の体重減少幅は500g以内に留めるよう意識するべきです。

筆者の場合、意図的に水分を摂取していないと、ローラーでのトレーニング前後でも、簡単に1kgは体重が減ります。

目安としては、1時間に1本のペースで、中サイズのロードバイク用ボトルを消費していくくらいが良いです。

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水分補給はアイソトニック飲料、またはハイポトニック飲料で

また、補給する水分の質についても、こだわった方が良いです。

アイソトニック、ハイポトニックというのは化学で出てくる浸透圧の話で、また今度記事にしようと考えていますが、

とりあえずスポーツドリンクは全部これに該当するので、なんだかよくわからないという人は、とりあえず「練習中は水でなくスポーツドリンクが良い」ことを覚えておくようにしましょう。

水は摂取しすぎると「浸透圧性利尿」を引き起こしこれがかえって脱水につながります。

ちなみに筆者は2020年現在、グリコパワープロダクションからサポートを受けているため、グリコの製品である「CCD」というパウダータイプのスポーツドリンクを使用しています。

スポーツドリンクの濃度を状況に応じて変えたい、という方には、このようなパウダータイプのスポーツドリンクがおすすめです。

CCDの使用感に関しては近々記事にしようと思っています。

また、室内トレーニングでの脱水に関連して、

室内トレーニングでも熱中症は起こる

ことを強調しておこうと思います。

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扇風機+エアコンを有効に活用する

室内でも、この時期は気温が30度を超えることもしばしば。

梅雨時の高温多湿状態で、自身の出すスピード分の風を受けることもなく、室内でローラーを回し続けるのは、はっきり言って自殺行為です。

人間は、気化熱を利用して身体の表面温度を下げるために、発汗します。

扇風機で風を起こせば汗滴の気化が促進され表面温度を下げることができます。

またクーラーを使って室温自体を下げることも効果的です。

さて、ここまで、室内でロードバイクトレーニングをするときの注意点について解説してきましたが、ここからは具体的に、室内でのトレーニングと相性が良いメニュー例をご紹介します。

室内のロードバイクトレーニングのメニュー例

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まず初めに言っておきたいのは、

室内だろうが屋外だろうが、やるべきメニューはさほど変わらない

ということです。

自分が強化したい運動強度の「ゾーン」を

適切な時間

適切な練習ボリューム

の中で強化してこそ、練習の意味があります。

つまり、これからご紹介するメニューは、

サイクリストそれぞれが、適切なタイミングで、適切なボリュームを実施するから意味がある

のであり、このメニューをひたすらなぞって練習したからといって、強くなることを保証するものではありません

このあたりの、「練習メニューをパーソナライズする」という点については、これから時間をかけて記事を書いていこうと思っていますのでお待ちください。

室内おすすめトレーニングメニュー①: HIIT

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まず初めにおすすめしたいのは、「高強度インターバルトレーニング」(英: High Intensity Interval Training)です。

  • 強度は、ゾーン6(120%FTP以上)、ほぼ全力です。
  • メニューとインターバルの時間の比率は2:1に設定します。
  • メニューの最大時間は2分で、反復回数は3~10回

何秒頑張って何秒休むか、はコーチによっても違いますが、大まかにもたらす効果は同じです。しかし最大でも2分頑張って1分休むセッションに留めるべきです。

それ以上の時間に設定すると、強度がゾーン6より下がってしまいます。

反復回数は、3~10回と書きましたが、簡易な指標として、

3セット目のパワーよりも10%パワーが低下したら、その次の一本を全力で行って終了する

という反復回数の決め方があります。この決め方はパワーメーターを持っていないとできないやり方なので、持っている方にはおすすめです。

HIITには以下の効果があります。

  • 無酸素運動容量の向上
  • 運動後超過代謝によるダイエット効果

無酸素運動容量とは、レースでいうアタックなどで使われる領域です。アタックのキレが増すほか、ほかの選手のアタックにフォローするのが楽に感じられるようになるでしょう。

また、HIITはダイエットでも注目されていて、ゾーン3,4の有酸素運動に比べて、トレーニング後にも代謝が高まり、消費カロリーが増大することが分かっています。

この練習は本当にきついので、外で行うとふらついてしまうリスクがあるほか、このプロトコルを一本の峠でやろうとすると10分以上の登り坂を確保しなければならないため、比較的外で行うのに向いていません。

なので室内でこそ行えるトレーニングだと思います。

室内おすすめトレーニングメニュー②: SST

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次におすすめするのが「スイートスポットトレーニング」(英: Sweet Spot Training)です。

  • 強度はゾーン3の上限(90%FTP)、苦しいながらも完全な会話ができるくらいの強度です。
  • メニューの長さは20分~1時間
  • 回数はフィットネスレベルに応じて決めてください。

スイートスポットとは、ライダーが、「もう二度とこんな練習やりたくない!と思うほどきつくはないんだけど、練習にはなってる感じがする」と感じる強度設定からつけられた名前で、

きっとメニューを考えずにとりあえず乗っている選手は、この領域で踏むことによって疲労感を得て満足しています。

主観的に気持ちよく追い込める強度なんです。

しかし、一回のメニューが20分以上であるという性質上、日本の道路環境に適さないため室内の方が親和性が高いです。

この練習は以下の効果があります。

  • 筋肉のミトコンドリア増大
  • 乳酸閾値の上昇
  • 筋グリコーゲン貯蔵量の増大
  • 速筋繊維の遅筋化

何を言っているのかよくわからない方も多いと思いますがひらたく言うと、「スタミナ」がつきます。

室内おすすめトレーニングメニュー③: SE

次に紹介するメニューは「筋持久力トレーニング」(英: Strength Endurance)です。

  • 強度はゾーン3~4、ゾーン3なら苦しいながらも会話できる、ゾーン4なら単語は発せるが完全な会話はできない、くらいの強度です。
  • 時間と反復回数は、ゾーン3なら15分を3回くらい、ゾーン4なら5分を5回くらい
  • ケイデンスを50~70rpmにして、全身の力をきれいにペダルに乗せることを意識する
  • 場合によっては、4分50-70rpm,1分110rpmを4回繰り返す20分のメニューなども効果的

このメニューは、全力で行うメニューではないので、バリエーションが多くてごちゃごちゃしてしまいました。

要するに、ゾーン3,4くらいの領域で、ケイデンスを低くして、高トルクでペダルを回す練習です。

身体はすぐに運動に対して順化するので、刺激を入れる意味で、一定間隔で高ケイデンスを組み込むのも効果的です。

この練習は、別名SFR(Slow Frequency Revolution)とも言われ、昔から筋持久力の向上に効果があるといわれてきましたが、科学的根拠はありません

では、なぜおすすめするかというと、筋持久力の向上という意味では効果が確認されていなくても、少なくとも「ケイデンスに変化を持たせる」ことには意味があると考えるからです。

ケイデンスに変化を持たせること

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サイクリストはそれぞれ、「もっともパワーを出せるケイデンス」というものを持っています。

しかし、それが個人的な主観とは一致しないことがよくあります。

その日の体調によって、「今日はケイデンス低めの方が楽」だとか、その逆を感じたことはありませんか?

それって本当に、あなたに一番合ったケイデンスでしょうか。

パワーデータの分析の「4分割分析」を使うと、あなたがレースで勝つために不足しているのが、「重いギアを踏むこと」なのか、「軽いギアで沢山回すこと」なのか、を知ることができます。

これについては長くなるので別記事で説明しますね。

重要なのは、「その日に楽に感じるケイデンスで、パワーだけを見てトレーニングするのでなく、同じ強度でも、ケイデンスを変化させるだけで練習になるよ」ということです。

また、このトレーニングはケイデンスを変化させるので、地形に影響されやすい外で練習するよりも、室内の方が効率的に練習できます。

室内おすすめトレーニングメニュー④: スピン

最後に紹介するのは「スピン」トレーニングです。

  • 強度はゾーン2、普通に会話することができるくらいです。
  • 時間は60分~
  • ケイデンスを105-110rpmに保つ(普段そのくらいの人は、普段のケイデンス+10rpmくらい)

このトレーニングも、SEと同じく、全力ではなく、ケイデンスに変化を持たせるトレーニングです。効果や、室内に向いている理由については、先の項で話したので割愛します。

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まとめ: 室内でのロードバイクトレーニングは効率が良い

いかがだったでしょうか?

室内トレーニングは変化がなく退屈ですが、信号や、地形に左右されずトレーニングできるので、実は外での練習より効率が良いことがほとんどです。

しかし、ペダリングがローラー用の効率の悪いものになってしまわないように、注意が必要だというお話もしました。

蒸し暑いこの時期、熱中症や脱水にならないように気を付けて、効果的に室内トレーニングを活用していきましょう!

コメント

  1. […] […]

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